『ぼくらが結婚式をつくるまで』2/5

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『ぼくらが結婚式をつくるまで』

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いつ結婚式をするのか。

ぼくが結婚をしたのは、2014年8月、25歳の時。秋田県に生まれて、大学時代を大阪で過ごし、社会人になって千葉県に住み始めて3年目の時でした。埼玉県育ちの埼玉県育ちで同い年の嫁とは、社会人になって出会い、交際は2年くらいでした。

結婚した当時、ぼくは千葉県のハウスメーカーに、嫁は都内の保育園に勤めていました。

結婚式の具体的な計画はなかったけど、二人とも結婚式は挙げたいと思っていました。

結婚をする3か月前、プロポーズをしたことを周りの人に報告していると、ほとんどの人が「いつ結婚式をするの?」と聞いてきます。まだ決まっていませんと答えつつ、心の中では、普通はプロポーズを済ませた時には結婚式の時期まで決まっているものなのだろうかと考えていました。たしかに、ぼくらの周りの人たちは、入籍をする前に結婚式の計画が立っている人も多いのです。すごい計画力だなと感心します。

ぼくらの場合は、お互い仕事の休みがそれぞれ違ったため、予定を合わせるのがとても大変で、プロポーズ、両親の顔合わせ、家探し、家具選び、引越し、入籍、指輪の購入…と、ひとつひとつのことをクリアしていくことで、頭も体もそしてお財布もいっぱいいっぱいです。結婚資金を十分に貯めてからのプロポーズではなかったので、上に挙げたひとつひとつのイベントで使うお金を計算すると、とてもじゃないけれど、すぐに結婚式を挙げられる資金力はありません。

そのうえ、結婚式を挙げたいという気持ちよりも、新婚旅行に行きたいという気持ちのほうが強く、新婚旅行の計画を結婚式よりも先に立て始めました。

ちなみに、新婚旅行の行き先は、北欧のフィンランドとスウェーデンです。旅行会社のツアーは値段が高かったため、飛行機やホテルなどは、全部自分たちで手配しました。旅行会社のツアーは、手配をすべてお任せにできて、困ったときは日本語でスタッフが対応してくれるようなサービスがついているのだけれど、苦労して自分たちで手配することで、ツアーよりも20万円くらい節約ができました。その分お土産を買うことができたし、旅行の計画を立てたり、準備したりしている時からとてもワクワク、ドキドキしていました。

こうやって振り返ってみると、ぼくらはあまり多くないお金の中で、どうすれば自分たちが楽しめるかを考えてきた結婚生活のような気がします。

最終的に、お金をかけずに楽しくやるには、人に頼まずに自分たちでやるしかなのです。ぼくらは、いつもこうして自分たちでやってきて、ついには、結婚式まで手作りしてしまったのだと思います。

話を結婚式の時期ということに戻すと、結婚式は絶対にしたいぼくらだったけれど、時期に関してはずいぶんとのんびり考えていました。結果として、結婚してから1回目の結婚式まで9か月、2回目のパーティーまでは11か月かかったぼくらですが、その分、ゆっくりと新婚生活を楽しめた気がします。

結婚式は急いでしなくても良いのでは?それが、ぼくらが出した答えです。

じゃあ、いつ、どんな結婚式をするのか。

結婚式の時期については、のんびりと考えていたものの、ぼくらも結婚式には興味があったし、素敵な結婚式をしたいなぁと思っていました。しかし、結婚式を挙げた友達に聞いたり、結婚情報誌やネットで見たりした結婚式にかかる費用の相場は、すごく高くて、とてもじゃないけど、ぼくらの身の丈には合っていない金額でした。

ぼくはどんな結婚式を挙げたいかということは考えたことがなかったけれど、ちぃやんには憧れがあったみたいです。それは、屋外で結婚式を挙げること。そういったことができる教会を調べてみると、一般的な結婚式場でかかる費用と変わらず、お金がかかることがわかりました。

結婚式の費用を考えるときのアドバイスとして、いただいたご祝儀でかけた費用の何割かは返ってくるから、自己負担は実際これくらい、と言うけれど、そもそもとてもたくさんのお金を1日、それも数時間で使ってしまう結婚式というのが、ぼくらの身の丈にはまったく合っていないように感じてしまったのです。

ちなみに、ぼくらは結婚式場やホテルでする結婚式に招待され、出席するのは大好きです。

会場はきれいで、料理はとても美味しい。プロのスタッフのおもてなしはとても気持ちがよく、何よりも主役の2人がきれいな服を着て、とてもかっこよく、きれいに見えるところが好きです。今まで招待してもらった結婚式では、友達が一生懸命に親やゲストを喜ばせようと考えたことが伝わってくる結婚式ばかりで、毎回感動してしまいます。結婚式に参加している数時間は、最高に贅沢で幸せな時間です。

ただし、今まで招待してもらったような結婚式が、ぼくらの身の丈に合っていないように感じてしまい、ぼくらが衣装を着て、華やかなところに立っていることを想像しただけでとても恥ずかしくなってしまうのです。ともあれ、結婚式にはとてもお金がかかることがわかりました。

お金の件と同時に考え始めたのは、誰を結婚式に招待するかだ。これを決めることは非常に大変なことだと噂には聞いていました。ぼくらが話合ってみたところ、親や親戚、友人を呼びたいという考えは一致していました。あとは、職場の人ですが、どうしようかと考える前に答えは、ぼくの中では決まっていました。

職場の人には、会社で結婚を報告して、会社でおめでとうと言っていただけるだけでぼくにとっては十分であり、ありがたいと思い、休みの日に結婚式に来ていただいて、ご祝儀をいただいてしまったら、申し訳なくてしかたがありません。嫁もなんとなくだけれど、そんなことは考えていたようで、身内と友達だけを招待して、結婚式を挙げることに決めました。

そうと決まれば、どうすれば招待するみんなが一番楽しんでくれるかを考えます。身内には大人になった自分たちを見てもらいたくて、友達とはいつものようにはしゃぎたい。つまり、それぞれの人としたい結婚式は違っていたのです。ぼくらの身内と友達に対して、同じことをしてもどちらかに合わせることになってしまうのではないかねと考え、身内を招待する結婚式と友達を招待する結婚式を分けてしまうことにしました。そうすれば、みんなが気を使わずに、一番楽しい結婚式ができるのではないかなと思ったのです。

ここだけの話だけれど、身内とだけ、友達とだけの結婚式を挙げることにしましたと言えば、職場の人も招待されないことを納得してくれるだろうと考えていました。

招待する人が決まった頃からなんとなく、身内との結婚式ではご祝儀は不要にしたいと思い、友達との結婚式では、かかったお金だけを会費としてもらおうかなと思っていました。招待する人とご祝儀不要や会費制にすることまで決めて、あんまりのんびりしすぎても結婚式を挙げるタイミングを逃してしまいそうだから、だいたいの時期だけは決めることにしました。

時期を決めるためにしたことは、お金の計算です。結婚し共同生活が始まったら、2人で月々いくらお金を出し合って、そこからいくら家賃と生活費に使って、いくら貯金をしていくのかを焼鳥屋さんで飲みながら決めました。

お互いに、相手がいくら給料をもらっているかは、知らなかったし、その時は知りたいとも思っていなかったけれど、お互いに会話からなんとなくこのくらいかなっていうのは想像していました。お金の計算はぼくのほうが得意だから、そういったお金の出入りについては、ぼくが決めました。ちなみに、お金を貯めることは、嫁のほうが得意です。月々の貯金の額が決まれば、この時期には、このくらい貯まるということが決まります。あとは、このくらいのお金があれば、結婚式ができるかなぁという感じにだいたいの時期だけをその時決めました。あとは、その貯まったお金をやりくりして、その範囲でできる結婚式をしようと思っていました。

その時の計画だと1年間で100万円くらい貯まるから、その中で新婚旅行と結婚式を2回しようと思っていました。今まで得た情報からすると、100万円なんてとても少なくて、新婚旅行と結婚式2回するなんて出来るはずはないのだけど、ぼくらはなぜだかできる気がしました。さらに、全部使うとせっかくためたお金がなくなってしまうから、できるだけ残したいなぁと思っていたくらいです。

結婚式は、ぼくらがしたくてやるものだから、親から援助をしてもらおうとか、お金を借りようとかは考えなかったし、ぼくの親には結婚前に「出せるお金は無いよ。結婚は、あなたたちがするのだからね。」と伝えられていました。それは、僕らの結婚が両家の結婚ではなく、ぼくらの結婚だということを言ってもらえたようで、ぼくはいよいよ大人になったのだなという気がしました。結婚のために出せるお金が無いというのは、本音だと思うけれど、本当に良い親だと思う。

結婚式や新婚旅行にはこのくらいかかるという金額を先に自分たちの中で決めてしまうのではなく、自分たちが貯められるお金の中で、どんな結婚式と新婚旅行ができるかを考えよう。それが身の丈に合った結婚式。ぼくらには合っていた気がします。

どこで結婚式をするのか。

予算、呼びたい人、時期が決まったので、次は場所を決めます。「わたし、りょうちゃんの秋田の家の庭でいいけど。」嫁がこう言いました。さすが、ぼくの嫁、発想と思い切りがいいです。それにしても、庭でなんて突然出てきた突拍子もない発言のようだけど、ぼくもなんとなく希望を叶えるにはそこしかないかな、と思っていし、嫁はどうしても外で結婚式をしたかったようです。

どうして、その発想が出てきたのかは、説明しようがないくらい感覚的なものです。おそらく、2人の趣味嗜好が合っていて、価値観が合っていたからとしか言いようがありません。気が合う。ぼくらが結婚式を実現できた理由はこの言葉に尽きます。

こうして、身内との結婚式はぼくの実家の庭ですることに決まりました。

ぼくらがこの計画を僕の両親に伝えたのは、結婚式を挙げることになる年のお正月です。なんて言われるかドキドキしたけど、勇気をもって伝えてみると、案外すんなりと受け入れてくれました。結局、結婚式の日取りは5月5日、ぼくの両親の結婚記念日に決まったのです。

後で話を聞くと、ぼくの両親はかつて、公民館を借り、友人知人に手伝ってもらい、ささやかな結婚式を仲間と手作りしたようです。知らないうちに両親と同じように結婚式を自分たちで作ろうとしていることには驚きました。自分たちらしいものを作ろうという気持ちが受け継がれていたのです。

ぼくのおじいさんとおばあさんは、「あいー、なして、そんた場所でやらねばねぇの」(「えー、どうしてそんな場所でやるのよ」)と言って、心配をしてくれました。その心配は僕の想像以上だったようで、結婚式が近づくと、ぼくらがちゃんとできるのかどうかが心配で、夜も眠れなかったと聞きました。突拍子もないことを言ってしまってごめんなさい。

嫁の両親や親戚の方には、ぜひこの機会に秋田に遊びに来てください、と伝えました。ぼくが育った秋田を、八峰町をぜひ見て、感じて欲しかったのです。嫁の両親は、娘が秋田の男と結婚するとなってから、地元の観光スポットである世界遺産白神山地や鉄道の五能線に興味を持ってくれたようで、秋田旅行に行けると喜んでくれました。実際に、結婚式で秋田に来てくれた時には、地元の温泉宿に泊まり、青森県の十二湖にまで足を延ばしたり、八峰町の留山ハイキングを楽しんだりしてくれました。お義母さんは三姉妹で、おじいさんは80歳を超えています。家族揃った旅行というのが本当に久しぶりだったようで、結婚式が良い機会になったと、本当に喜んでくれました。

生まれ育った場所を知ってもらうには、そこの景色を見てもらって、おいしい食べ物と空気を味わってもらうのが一番です。都会で結婚式をやるとなると、地方の家族は普段しないおめかしをして、よそ行きの顔になります。これでは、新郎新婦の家族同士の距離が縮まりにくいです。両家族が一同に集まる機会は結婚式以外なかなかないので、せっかくならば、仲良くなってもらいたいと思っていました。

ぼくらのようにどちらかの地元で結婚式を挙げることになると、遠くに住んでいる人は、休みを取らないといけないし、交通費もかかります。ただし、ホームである家族は、地元に人が来ると、最高のおもてなし精神で地元のことを好きになってもらおうとします。休みをってくれ、交通費をかけて来てくれた家族に満足して帰ってもらおうと、お金ではなく手間がかかったご馳走を準備するのです。実際に、ぼくらの結婚式の料理には、ぼくの家族が準備した、たらの芽の天ぷらや山菜の料理、たくさんの手作り料理がテーブルに並びました。

地元という言葉を使ったけど、そこが田舎でなくても、出身地や関わりの深い土地であればどこでも良いと思います。都会と田舎が混じりあった地方都市でも、ビルしかない大都会であっても、お客様に対するおもてなしの気持ちはあるはずです。

そこで生まれたあなたのことをみんな知りたがっているはずです。あなたは自己紹介のように、自信を持って生まれた場所を紹介して、おもてなしをしましょう。

地元での結婚式は、あなたを知ってもらうための一番の自己紹介であり、おもてなしの結婚式です。


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